横浜・大船 込江保次税理士事務所

経営分析の初歩
概要
決算書の読み方
貸借対照表
損益計算書
安全性
自己資本比率
負債比率
剰余金比率
流動比率
当座比率
固定比率
売掛債権回転率
売掛債権回転日数
商品回転率
商品回転日数
固定資産回転率
固定長期適合率
収益性
売上高総利益率
営業利益率
経常利益率
当期利益率
総資本回転率
総資本経常利益率
自己資本当期利益率


経営分析の初歩

    ご自分の会社や勤務先、取引先や取引金融機関、投資先などの経営状況は気になりませんか?
    新聞の経済面以外でも最近では各社のサイトなどで決算書が公開されることが多く、それを見る(分析する)とその会社の状態がわかります。それを単なる数字の羅列として見過ごしてしまうのは勿体ないことですし、経営者であれば自社の状況をしっかりと把握することはこのご時世には特に重要なことだと思います。
    ここでは一般に経営分析と言われているものの初歩的な部分である、どのような数値(比率)がどのような意味を持っているのかについてまとめてみましたので、参考にしてみてください。
    決算書の読み方
    決算書は通常、貸借対照表、損益計算書、利益処分案、附属明細書などによって構成されています。この内、経営分析に利用するのは貸借対照表と損益計算書です。
    そこでまず最初にこの2つについて簡単な説明をすることにします。

    尚、経営者の方が自社について行う場合には毎月作成する試算表を利用することもできます。貸借対照表及び損益計算書と試算表とは単に表示方法が異なるだけで、基本的には同じ内容が記載されております。
    ただ、その試算表を利用する場合には、通常決算時にのみ行われる資産の棚卸や減価償却、経費などの前払/未払の処理、消費税と法人税の計算などを加味する必要がありますことをご留意ください。
    貸借対照表
    ある「時点」での会社の財務状況を示しており、左側に資産、右側上に負債、右側下に資本が記載され、左右の合計が一致します。
    英語でバランスシート(Balance Sheet)と言い、B/Sと略します。
    貸借対照表の様式は以下の通りです。

    貸借対照表

    ××株式会社
    平成xx年xx月xx日現在

    資産の部負債・資本の部
    科 目金 額科 目金 額
    流動資産(A)xx,xxx,xxx流動負債(G)xx,xxx,xxx
     現金・預金(B)xx,xxx,xxx 買掛金xx,xxx,xxx
     受取手形(B)(C)x,xxx,xxx その他x,xxx,xxx
     売掛金(B)(C)xx,xxx,xxx固定負債(H)xx,xxx,xxx
     有価証券(B)xxx,xxx 長期借入金xx,xxx,xxx
     棚卸資産(D)x,xxx,xxx その他x,xxx,xxx
     その他xxx,xxx負債の部合計(I)xx,xxx,xxx
    固定資産(E)xx,xxx,xxx資本金xx,xxx,xxx
     有形固定資産xx,xxx,xxx法定準備金x,xxx,xxx
     無形固定資産xxx,xxx剰余金(J)x,xxx,xxx
     投資等x,xxx,xxx(うち 当期利益)(xxx,xxx)
    繰延資産x,xxx,xxx資本の部合計(K)xx,xxx,xxx
    資産の部合計(F)xx,xxx,xxx負債・資本の部合計(F)xx,xxx,xxx
     

    損益計算書
    ある「期間」での会社の経営状況を示しており、収益や費用を発生原因ごとに区分して記載されています。
    英語でProfit and Loss statementと言い、P/Lと略します。
    損益計算書の様式は以下の通りです。

    損益計算書

    ××株式会社 第xx期
    自 平成xx年xx月xx日
    至 平成xx年xx月xx日

    科 目金 額
    売上高 (L)xxx,xxx,xxx
    売上原価 xxx,xxx,xxx
     売上総利益(M)xx,xxx,xxx
    販売費及び一般管理費xx,xxx,xxx
     営業利益(N)x,xxx,xxx
    営業外収益xxx,xxx
    営業外費用xxx,xxx
     経常利益(O)x,xxx,xxx
    特別利益xxx,xxx
    特別損失xxx,xxx
     税引前当期利益x,xxx,xxx
    法人税等xxx,xxx
     当期利益(P)xxx,xxx
    前期繰越利益xxx,xxx
     当期未処分利益xxx,xxx
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    安全性

    会社の安全性を見るには、主に貸借対照表を見ることになります。
    簡単に概要を把握するには、左の一番下の数字(資産の部合計(F))で会社の規模がわかります。
    次に右の中央辺りの数字(負債の部合計(I))で会社の借金の額がわかります。
    更に右の下から3行目辺りに通常あるハズの「剰余金」と言う科目が「欠損金」となっていれば、その会社は累積赤字を抱えていることがわかります。(剰余金の金額がマイナスの場合も同じです)
    これらを確認してから電卓を用意して以下の個々の数字を確認してみてください。
    自己資本比率(%)
    算式:資本(K) / 総資産(F) ×100
    目的:お金のうち自分のものがどれだけあるか、会社の安定度を見る
    目標:40%以上が理想

    負債比率(%)
    算式:負債(J) / 総資産(F) ×100
    目的:借金依存度を見る
    目標:理想値は業種によって異なる(高いほど借金依存度が高い)
    剰余金比率(%)
    算式:剰余金(J) / 総資産(F) ×100
    目的:これまでの会社の収益力、会社の優良度を見る
    目標:50%以下が理想
    流動比率(%)
    算式:流動資産(A) / 流動負債(G) ×100
    目的:150%以上が理想
    目標:短期的な支払能力を見る
    当座比率(%)
    算式:当座資産(B) / 流動負債(G) ×100
    目的:100%以上が理想
    目標:当面の支払能力を見る
    ※ 当座資産とは、現預金、受取手形、売掛金、有価証券など流動資産の中でもすぐに現金化できる流動際の高い資産をいう
    固定比率(%)
    算式:固定資産(E) / 自己資本(K) ×100
    目的:100%以下が理想
    目標:健全な設備投資を行っているかを見る
    売掛債権回転率(回転)
    算式:売上高(L) / 売掛債権(C)
    目的:年5〜6回転が理想(業種によって異なる)
    目標:債権の回収が順調に行われているかを見る
    ※ 売掛債権=受取手形+売掛金
    売掛債権回転日数(日)
    算式:365 / 売掛債権回転数
    目的:短ければ短いほどよい
    目標:1回転するのに何日掛かったかを見る
    商品回転日数(日)
    算式:365 / 商品回転率
    目的:短ければ短いほどよい
    目標:1回転するのに何日掛かったかを見る
    固定資産回転率(回転)
    算式:売上高(L) / 固定資産(E)
    目的:流通業で5回転、製造業で2.5回転以上が理想
    目標:設備投資が有効に機能しているかを見る
    固定長期適合率(%)
    算式:固定資産(E) / (自己資本(K)+固定負債(H)) ×100
    目的:100%以下が理想
    目標:長期的に使い回せる事業資金に対して設備投資が適正かを見る
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    収益性

    会社の収益性を見るには、主に損益計算書を見ることになります。
    まず最初に一番上の売上高(L)で会社の取引規模を見ます。
    2行下がったところにある「売上総利益(M)」とは、一般に「粗利」と言われているものです。
    以下順に、営業利益、経常利益、当期利益がどのように動いているのかを見ていきます。
    これらを確認してから電卓を用意して以下の個々の数字を確認してみてください。
    売上高総利益率(%)
    算式:売上総利益(M) / 売上高(L) ×100
    目的:粗利率を見る
    目標:20%以上が理想(ただし、業種によって異なる)
    営業利益率(%)
    算式:営業利益(N) / 売上高(L) ×100
    目的:本業の営業での収益力を見る
    目標:6〜7%以上が理想
    経常利益率(%)
    算式:経常利益(O) / 売上高(L) ×100
    目的:5〜6%以上が理想
    目標:会社の経営上の収益力を見る
    当期利益率(%)
    算式:当期利益(P) / 売上高(L) ×100
    目的:2〜3%以上が理想
    目標:会社の経営上の収益力を見る
    総資本回転率(回転)
    算式:売上高(L) / 総資本(F)
    目的:年間1.5〜2回転が理想
    目標:資本が効率良く運用されているかを見る



    以上、本当に簡単ですが経営分析の初歩的な内容についてまとめてみました。
    分析の結果は、1期だけではなくて、前期や過去何年かに遡って比較をすることにより、その会社の動きが見えることになります。特に「収益性」については比較をしなければ本当の部分は見えないとも言えますでの、是非過去の資料もご用意して確認をしてみてください。

    業種や会社により異なる部分がありますので、具体的な御質問などがございましたならば確認でも構いませんので是非当事務所までお問い合わせください。

    込江保次(こみえやすじ)税理士事務所
    電子メール>> info@komie.com
    電話>> 045−891−8360


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