会社法が施行されたことより新たに株式会社を設立することが今までと比べて容易になりました。具体的には以下のような項目が改正となります。
- 最低資本金
- 最低資本金制度が撤廃したことにより、これまでは設立時に株式会社の場合には最低でも1000万円と言う大金でしたけれども、それが資本金1円でも株式会社を設立することができるようになります。ただし資本金は会社の規模や信用を示す数字ですし、本当に1円では設立登記に必要な15万円の登記印紙代を払うことができませんのでやはり相応の資本金は必要でしょう。
- 類似商号規制
- 同じ市区町村内での同一営業目的の会社は類似した商号の登記をすることができない類似商号規制などがなくなったことにより、公証人役場での定款認証の前に法務局にて類似商号の確認を行う必要がなくなります。しかし同地区の同業社から訴訟等を受ける可能性はありますので、商号(法人名)を決める際はある程度の事前確認は必要になると思います。
- 払込金保管証明
- 昨今の法人の設立に際して一番問題となっておりました金融機関に発行してもらう株式の払込金保管証明が、発起人だけの出資によって会社が設立される発起設立の場合には金融機関の残高証明書によることが可能となりますので解決されます。
- 少額現物出資の制限の緩和
- 今までも資本金の5分の1以下の範囲内で500万円以下の現物出資については検査役の調査などが不要でしたけれども、会社法では単純に「500万円以下」となりますので、時間も費用も大幅に節約できることになります。
- 原始定款の記載事項
- 今まで原始定款に記載しなければならなかった「会社が発行する株式の総数」や「会社設立に際して発行する株式の総数」は会社成立の時までに決定すれば良いことになりますし、「公告の方法」も定款に定めなくても良くなります。ただし、定款に定めがない場合には官報公告によることになります。
来年にはいわゆる一人会社の役員報酬についてその一部を経費と認めないという
法人税法の改正が行われますので、現状個人事業として行ってこられたものをそのままの形態で法人成りするのでは節税目的としましては難しいようですし、簡単に会社を作ることができるようになるとは言いましてもやはりいろいろなことを検討されることが大切です。
また登記に関しましては
インターネット登記情報提供サービスでも確認できますので、商号の検索などにご利用してみてください。
- ※ 決算公告について
- 株式会社は定時株主総会の終結後貸借対照表(大会社は損益計算書も)を公告しなければなりませんが、中小会社が官報又は日刊紙に公告をする場合には貸借対照表の要旨だけでよく、現行の有限会社のまま有限会社を商号とする特例有限会社ならば公告義務自体がありません。又、ホームページでの公告も可能ですけれども、この場合には定款にそのホームページのURLを記載しなければなりませんし、かつ5年間継続して公開をしなければなりません。
- ご参考までに官報掲載の場合の料金は、2枠で59,126円、3枠だと88,689円ですので、金額だけを考えるならばホームページを利用するのが良いようですけれども、貸借対照表の要旨ではなくすべてを5年間継続して公開しなければなりませんのでどちらが良いかは難しいところです。
- 決算公告は株式会社の義務ですので、合同会社については不要です