込江保次税理士事務所■横浜市栄区・鎌倉市大船

2005年10月31日の記事

2005年10月31日(月) 21:17

駆け込み需要?有限会社設立

サイトの運営者として勿論このサイトでもアクセスログの解析を行っておりますけれども、先月頃から法人設立に関係するキーワードが目立ってきており、更に今月に入ってからはメール等での問い合わせなども増えております。

これを分析してみますと、次の2つの要因があるようです。
・会社法設立前に有限会社設立
来春に会社法が施行されますとその後有限会社を設立することはできなくなります。その弊害は、決算公告の義務や役員の任期がありますけれども、これを避けるためにその前に会社経営が簡素な有限会社を設立してしまい、会社法施行後に株式会社にするかどうかを選択できるようにしておきたいという場合
・消費税逃れ
これは個人事業主が昨年の年間売上高が1000万円を超えて、来年から消費税の課税事業者となることを避けることが目的の場合
自分で分析したことですから手前味噌になりますけれども、確かに上記のいずれの場合も「今」設立をしなければならない強い理由となりそうです。
そして、特に個人事業主の消費税の問題につきましては、かなり負担になっておられるようでして既に今年課税事業者となれた方や今春の確定申告で消費税を納められた方など、経理処理や資金繰りなどでもいろいろと大変なようですので、(最大で)2年間消費税を「合法的に」納めなくて良いのは魅力だと思います。
この場合には、年内中に設立をして法人成りする必要があると思われます。この時に良く考えていただきたいことは、その法人の決算期をいつにするのかです。個人事業と異なり法人の場合には決算期を自分で決めることができますので、繁忙期を外すなど検討してみてください。

又、会社法絡みでの設立については、確かに会社法として全979条の条文は公布されましたけれども、それに付随する施行令や施行規則・通達など整備は遅れているようですし、関係法令である法人税法や消費税法なども未対応のようで細かい部分までは見えていないのが現状ですから、経営者としては選択肢を残しておくことは有益だと思います。
施行日もまだ未定ですが、早くても来年4月1日ではないかとの噂もありますけれども、今年の7月26日の公布から1年半以内に施行されることにはなりますので、まだしばらく時間的な余裕はありそうです。

実際に法人を設立しますと、いろいろとやらなければならないこともありますので(詳細は「有限会社設立の流れ」のページを参照ください)、そのために一時的に業務が滞ってしまうことになるかも知れません。そのようなことも含めまして、まわりが設立するからと流されずに、もう一度落ち着いてご自身の事業を見つめ直していただき、本当に今有限会社を設立することがトクなのか確認をしてみてください。

written by 込江 [法人税法] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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