横浜・大船 込江保次税理士事務所

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Frente Pinguinista

愛しのクーバ・ハマりのメヒコ/その6

愛しのクーバ・ハマりのメヒコ 16日目

 突如電話が鳴った。そう、N$30/泊の安い宿なのだが、部屋にも電話が
 あるのだ。(外線をかけることは出来ないのだが)

 A嬢からだった。えぇっ!今晩行けなくなったの。 ;_; ;_; ;_;

 でも、明日空港に見送りに来てくれるの♪ \\(;^◇^;)//

 という寝起き電話によって悲しみと喜びの中で1日を始めることになった。
 (と言っても既に11時になっていたが... (^^ゞ )

 シャワーを浴びて部屋を出た時には既に昼を過ぎていた。それにしても、
 実に天気の良い土曜日であった。ソカロの喧噪を横目に見ながら、いつもの
 ごとくメトロの ALLENDE 駅周辺で食欲を満たしながらボォ〜っとしていて
 突如 SAN ANGELでは確か毎週土曜日には市が立つハズだということを思い出し
 たので、早速出かけてみることにした。店のおにぃちゃんに行き方を聞くと、
 メトロの INSURGENTES 駅まで行き、そこで南行きのバスに乗れば良いとの
 ことだった。INSURGENTES はソナロサの最寄り駅のひとつでもあるので、
 既に何度か行ったことがあったので、問題無かった。そこに着いた後でも、
 SAN ANGEL 行きのバスを探すのにも簡単だった。地上に出ると丁度そこが
 南行きのバス停になっているようで、バスが次々に来ていた。行き先表示で
 SAN ANGEL を探して運転手の隣りの一番前の席に乗り込んだ。そのままバスは
 AVE.INSURGENTES を真っ直ぐに南へと向った。向った。向った...

 最初のうちは道幅も広く、渋滞も無い快適なドライブを楽しんでいたのだが、
 既に乗ってから30分以上経過していた。一応乗るときに運転手に SAN ANGEL
 と告げて料金を払ったつもりでいたし、バスの行き先表示も SAN ANGEL になっ
 ていたのだが。さすがに不安になり始めた頃に突如右折して、止まった。そこ
 は、バスターミナルのようで、何台ものバスとバスを待つ人達で溢れていた。
 運転手のおじさんが振り向いて、SAN ANGEL と一言。やっと、到着。

 人の流れに乗って歩いて行くと、坂を利用した公園があって、たくさんの絵が
 売られていた。多分ここが目的地だった市なのだろう。それにしてもよくも
 これだけの数のと思うほど多くの画家(画家の卵達?)が自作なのであろう
 絵を売りに来ているものだと感心してしまった。一通り見てまわったが、
 みんな自信があるのか結構高い値段を付けていた。それとも、その値段から
 後は交渉しましょうということなのだろうか? 残念ながら自分で交渉する
 ことはなかったが、他の人達が交渉(ただの雑談だったのかも?)している
 姿は何度も見かけたので、きっとそれなりに商売の成果もあるのだろう。

 ちょっと疲れたので、ベンチに座って観察モードに入っていると、別の方向
 へも人の流れがあることに気が着いた。早速そっちへと行ってみると、そこは
 公園と言うよりはちょっとした空き地という感じの広場で、民芸品を扱って
 いる店が並んでおり、観光客が徒党を組んで押し寄せていた。アクセサリーや
 衣類、置物など一件一件見てまわって、何度も値段交渉をしたのだが、街の
 中心部にあるシウダデラ市場などと比べても高かったりするものもあったのは、
 やっぱり観光客相手の市だからなのだろうか?

 余りの人の多さがいやになって行くあても無く周辺に足を伸ばしてみることに
 した。坂を下って行くと大きな通りに出た。多分来るときにバスが走ってきた
 通りなのだろう。その向こうには何やら高い塔が見えたので行ってみると、
 階段があって中に入れるようになっていた。別に何が展示してあった訳では
 無かったので、きっと何かの記念碑だろうと軽く考えていたが、後から調べて
 みるとオブレゴン将軍記念碑というやつで、内部には切り落とされた片腕が
 ホルマリン漬けになって展示されているとのことだったが、はて?そんなもの
 は一体どこにあったのだろうか?

 その記念碑の一帯は大きな公園となっていたので、近くにあったベンチに座っ
 てひなたぼっこなどしていると気持ち良くなってしばらくウトウトとしていた
 ようだった。(単にどこでも簡単に眠れてしまうことが特技な奴だった)

 腹が減ったから目が覚めたのかわからないが、とにかく空腹を覚えたのでバス
 ターミナルのところにあった市場に行ってみることにした。そこはいわゆる
 地元の人達が日常品を買いに来るという感じの市場だったので、中に入って
 行くと、肉屋、魚屋、果物屋に八百屋、衣類も売っていたし、入口には花屋も
 3件あった。

 いつものごとく適当に腹を満たすと、さっき見た入口の花屋が気になった。
 実は、今日はずぅ〜っと明日空港に見送りに来てくれると言う彼女の為に、
 何かプレゼントをしようと思って探し回っていたのだが、これというものを
 見つけることが出来なくて困っていたのだ。でも、やっと決った。一番好きな
 ひまわりを1件の花屋で見つけたので、それを花束にしてもらった♪♪

 さて、この花がしおれるまでに慌ててホテルに戻らなければならなくなった。
 目の前のバスターミナルで INSURGENTES 行きのバスを待ったが、全然来ない。
 バスが止まるたびに運転手に聞いてみるが、違うと言う。ホントに違うのか、
 それともこちらの言葉が通じていないのかはわからなかった。その間にも花は
 枯れていくのがわかるぐらいにしぼんでいた。や、ヤバイ!! とそんな時に
 目の前に止まったバスは、TASQUEN~A 行きだった。TASQUEN~A ? それは、
 カルロス家にパーティに行ったときに待合せをしたメトロの駅の名前だった。
 ここからどれぐらい離れているのかわからないが、いつ来るかわからないバス
 を待っているよりも、TASQUEN~A まで行けばそこからホテルまではメトロで
 乗り換えなくても戻れるし、乗るしかなかった。

 そのバスはまるで朝の山の手線の様に混んでいたうえに、乗客の多くが手に
 溢れんばかりの買ったばかりの荷物を持っていた。更に来るときと違って、
 細い路地を右に左に何度も曲るし、速度を落させるための路上の凸な道をも
 平気で進むのでなかなか凄いものがあったのだが、ひまわりの花束を手にした
 私は周囲の注目を一身に浴びて目立っていた。 \\(;^◇^;)//

 どれぐらい乗ったがわからなかったが、大きなバスターミナルに到着すると、
 みんな一斉に降りて行ったのでそこが終点のメトロの駅の TASQUEN~A なのだ
 ろうと思ったが、その時には可愛そうなひまわりの葉は半分ぐらいの大きさに
 なってしまっていたのだった。 ;_;

 メトロの印が見える方向へ歩いて行くと、ジュースの容器が落ちているのが
 目に止まった。おぉっ!これだっ!! すかさず拾ってみるとぴったりとその
 口に茎が収まった。次は水をと思っていると、作り話のように目の前でホース
 で水まきをしているおじさんを発見。(ホ、ホントなんだってばぁ〜〜)
 でも、どうしてもっと早くに気が付かなかったのだろうか? アホ>私

 水を得て心なしか元気になったように見えたが、まだしぼんだままだった。
 メトロに乗り込み相変わらず周囲の注目を浴びながらホテルまで戻った頃には、
 ようやく少しではあるが葉が元のようにしっかりとしだしたのでちょっとだけ
 安心したが、このままではプレゼントには出来ない。フロントで鍵を受け取る
 時にはおばちゃんが「私にくれるのか?」と喜んでいたがそれは思い違いだ。
 部屋へ駆け込み、トイレの水タンクの蓋を外して、明日の朝出かけるときまで
 そこに入れておくことにした。これで元気になってくれればいいのだが...

 明日は朝5時半にはここで出ないとならないので、今日のうちにパッキングを
 しておかなければならなかった。来るときはほとんど荷物などなかったのだが、
 結構いろいろなものを買っていたようで、本気でやらないと持ち帰れない様な
 状態になっていた。(^^ゞ 既にボンゴだけは別のバッグを確保して、日本まで
 機内で抱えていくつもりだったが、ペンタグラマで大量に仕入れたカセットと
 CDは意外と嵩張っていた。それにキューバで仕入れたハバナクラブが3本。
 そのうち1本は既に1/3ぐらいしか残っていなかったので、今晩中に開けて
 しまうことに決めて、ラッパ飲みしながら後のパッキングの作業を続けて、
 ほろ酔い加減を通り越して、ノタノタと何とか終えた頃には、ハバナクラブも
 ほぼ空になっていた。

 それでも、今晩は踊りに行くぞぉ〜!と気合いだけは入っていたので、1階に
 ある「BAR LEON」に向った。その時の出演者は、丁度ペンタグラマで
 仕入れたカセットの中にあった SON DE MERENGUE だったのだ、が、

 な、何で今日は店が休みなんだよぉ〜? 昨日の夜だって、ルチャから帰って
 来た12時過ぎでもあんなに盛り上がっていたというのに。おぉ〜いっ!!
 としばらく一人の酔っぱらいが明りが消えている店の前でダダをこねていたが、
 しばらくすると諦めたのか部屋へ戻って、残っているハバナクラブを一気に
 飲み干し、少しだけ残っていた冷静さで目覚し時計を5時に設定して、そのま
 ま眠ってしまったのだった。
                           16日目おしまい

愛しのクーバ・ハマりのメヒコ 17日目

 目覚しの起こされ、5時に起きる。寒くて一瞬にして頭が冴えた。そうだ、
 ひまわりはどうなっただろうか? バスルームへ行ってみると、買う前と同じ
 ぐらい元気になっていたひまわりがあった。あぁ、よかった!!

 シャワーを浴びて残っていたアルコールも全部出し切って、準備完了。バッグ
 2つとひまわりの花束を抱えた姿でチェックアウト。毎晩12時過ぎに帰って
 来ていたので、夜の番をしているおにぃちゃんとはすっかり仲良しになってい
 たのだが、流石に今日はニヤニヤと笑っているだけだった。

 道路に出るとタクシーは簡単に捕まった。早速値段交渉をする。初めN$30
 と言っていたが、こちらは事前学習で相場を聞いていたし、キューバに行った
 ときにもタクシーで空港まで行ったので、負けるはずはなかった。結局前回と
 同じく、N$20で交渉成立。助手席が無いワーゲンに乗り込むとまだ暗くて
 人通りもない街を走り出した。何気なく手持ちの金を確認すると、N$30
 ちょっとしかなかった。タクシー代を払うと残りN$10ちょっとか。出国税
 は、チケットを買うときに払ってあるし、まぁ何とかなるだろうとこの時には
 まだ軽く考えていたのだが...

 30分足らずで到着。空港にもまだ人はまばらだった。ユナイテッド航空の
 カウンターへ行き、チェックインだけ済ませて、昨日の電話で約束した待合せ
 場所であるレストランへ向った。ガラスで通路と仕切られた作りの店だったの
 で、通路からも見つけ易いテーブルに座った。昨日の夜から何も食べていな
 かったのでとても腹が減っていたのだが、早朝はその店はパンとコーヒーの
 セットぐらいしかメニューに無かった。その中でも一番量がありそうなセット
 を頼んだ。彼女との約束の時間は6時半。まだ充分早かったが気になってしま
 い、食べながらも誰かが近くを通るたびにそちらを見てしまった。なにしろ、
 隣りの椅子の上にはひまわりがあったのだから。

 6時半が過ぎた。まだ来ない。でも、ここはメキシコだし、カルロス家での
 パーティーの時の待合せでも少し遅かったのだからと、そんなに焦ってはいな
 かった。

 7時が過ぎた。出発時間は8時丁度。荷物は全部キャリーオンするつもりで
 いたので、手元にあるし、ターミナルから飛行機まではバスで行くことになる
 だろうから、多分15分か20分前ぐらいが出発最終案内になるだろう。とす
 ると、ギリギリでも7時半までは待てないだろうと、頭の中で逆算をする。

 7時15分。そろそろ行かなければ。とりあえず支払を済ませることにした。
 えっ! N$10.25? おっ、おい、お金の方もギリギリだ。残りは、
 N$1コインが1枚だけ。

 7時20分。もう限界だ。行かなければ。重い腰を上げてチェックインゲート
 へと向った。そこでは当然予測されていたように、植物の持ち込みは出来ない
 ので、近くにあった灰皿にひまわりは飾られることになった。

 後ろ髪を引かれながら出発ゲートに着くと、出発が少し遅れているとのアナウ
 ンスが流れた。これが最後のチャンスだと思い、近くの公衆電話に走った。
 ホントに最後のコインを入れて、彼女の家に電話する。まだ日曜の早朝と言え
 る時間だった。男の人が出たので取り継いでもらった。しばらく待っていると
 電話口から彼女の声が。

 「もう出発の時間だよ。」
 「ごめんね。眠くて行けなかったの。」  て、てんご すえにょぉ〜〜〜
                        \\(;^◇^;)//

 話しをしているうちに電話が切れた。最後のコインがその役目を終えたのだ。
 UA838便は定刻より15分遅れて、メキシコから飛び立った。

                               おしまい





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